長田FPオフィス

お金と正しく付き合うブログ

FPとしての理念‐伝えたい想い

40代になった私は、「そろそろ人生半ばの年齢かな?」、まだ先とはいえ最期は「幸せな生涯だったと満足して迎えたい」、と考えるようになりました。

そんなふうに自らの人生を考え続けるうちに、「これから先は、もっと自由に生きたいな」という想いが、日増しに強くなっていきました。

生きるということは、時間を消費することです。
つまり、「自由に生きる」というのは、言い換えれば「主体的に使える時間を持つこと」に他なりません。
私の場合は、大人になっていろいろ経験した末、ようやくそんな単純なことに気付くことができました。

ありきたりな話かもしれませんが、結局のところ “Simple is best” です。
そうしたことに気付けたのは、私にとって大きなターニングポイントになりました。

なぜなら結果として私は、20年間のサラリーマン人生に終止符を打ち、次のステップとして、フリーランスの世界へ踏み出す決意をすることになったからです。

…というわけで、今回はお金の話はお休みして、私自身のことをお伝えしたいと思います。
このブログで情報発信する背景や、どんな考えでFPとして活動しているのか、私の想いを少しでも知って頂けると嬉しいです。

FPになった経緯

44歳の時、ふと思い立って老後資金のシミュレーションをしてみました。
すると、今後必要になる資金に対して、保有する資産の増加が追い付かない、という結果になりました。
つまり、将来生きていくお金が足りなくなるわけで、かなりショックを受けました。

当時、稼いだお金(給与)は、貯蓄(銀行預金と生命保険)に回すだけでした。
なので今思えば、資産が増えないのは当たり前です。

いずれにしても、この現実を改善しなければと、お金に関することを懸命に調べました。
すると、ファイナンシャルプランナーの知識が役立ちそうだと分かったため、一念発起して勉強をはじめることになります。

それまで知らなかったお金の知識を学ぶことは、私にとって新鮮で面白い体験でした。
そのまま勢いに任せて勉強を続けていった結果、FPの最上位資格者である1級FP技能士とCFP®認定者になることができました。

こうして学んだ知識を活かしつつ、自由に働ける人生を実現しようと考え、2024年に独立系FPとして開業しました。

社会との関わり方

私がFPになろうと決めたのは、自らの将来に対する不安と、多様な働き方への憧れ興味が、たまたま交わったことがはじまりでした。

そんな私でしたが、学びを継続し資格を取得するにつれて、新たにこんな想いを抱くようになりました。

世の中には、以前の私と同じ不安や悩みを抱えている人がいるはずだ」
その人たちにとって、私が習得したお金に関するFPの知識は役立つはずだ」
その知識を活かすことで、その人たちのライフプラン実現を支援して喜んでもらいたい」
「そうして、多くの人から必要とされるFPとして、幸福感を持ちながら社会と繋がりたい」

人間は社会の中で営みを送る、社会性を持った生き物です。
どんなに「自由に生きたい」と願ったとしても、単に自分勝手に振る舞っていては、幸せにはなれません。
私自身、幸せに生きるために大切なのは「人から必要とされること」であると、これまでの経験を通じて身に沁みて感じています。

このような認識のもとFPを生業とすることで誰かの役に立ち、そこから自らも幸せを得る、そんな豊かな生き方ができるように、日々活動しています。

そしていずれFPの仕事の集大成として、日本人のマネーリテラシー向上に貢献し、少しでも日本を良くすることができていれば良いな、…という秘かな想いも胸に抱いています。

独立系FPとそれ以外の違い

特定の組織に所属せず独立して活動するFPのことを、独立系FPと呼び、私もその一人です。

私が独立系FPである理由、それは金融機関や不動産業者との間で生じるビジネス上の金銭関係に縛られたくないからです。
FPと特定組織との金銭関係とは、具体的に言えば、お客様に対して金融商品(生命保険、投資信託など)や住宅購入を仲介して得られる「金融機関や不動産業者からの報酬」です。

この報酬は、一般に仲介手数料(コミッション)と呼ばれています。
通常は、お客様に手数料の内訳は開示されず、見えない費用として料金に上乗せされます。
保険料のように定期的に定額を支払う場合は、支払い期間全般に渡って、その手数料が掛かってくることになります。

私は中間業者(商社)での勤務経験が長いので、世の中を円滑に動かすために、物事を仲介する者は必要な存在だと信じています。
現実には、仲介者がいなければ、社会は成り立たないでしょう。
ただし、何でもかんでもあらゆるものに対して必要かというと、それは違うと思います。

仲介者が必要なのは「自ら遂行するには時間・お金などコストがかさむ」ことのうち、「専門的なスキル・経験のある誰かに頼めば低コストで良い結果が得られる」場合だけです。
これに該当するならば、仲介者を活用しない手はなく、仲介手数料は払う価値のあるお金だといえます。

FPとして活動している人のなかには、仲介手数料の高い(自らの儲けが大きい)商品を売りたい人も存在します。
お客様にとってのベストというよりも、そのFP自身にベストとなる選択肢を選ばせる、という残念なこともあるようです。

もっとも、そんな質の悪いFPはごくわずかなので、不幸にも当たってしまう確率は、極めて低いと思います。
ただし、ゼロではないので油断できません。
何より厄介なのは、そういうFPを予め見抜くことは出来ないという点です。

また真っ当なFPであっても、業務提携や代理店契約している金融機関等がある場合、ビジネス上は提携先の商品を紹介することが優先されます。
こうした商品の紹介は一概に悪いわけではなく、数多ある選択肢の中から、ダメ商品をフィルターにかけ選別する「有効な手段」とも考えられるので、場合によっては仲介手数料を払う価値はあると言えます。
しかし結局のところ、そのFPがどんな提携先と繋がっているかに依存するので、これも予め良し悪しを見極めるのは難しいです。

ハズレのFPに当たるという予期せぬ事故を防ぐため、一般の人がFPを活用する際は、理想のライフプラン実現を目指した「包括的な提案を受けること」だけに的を絞り、そこから派生して金融商品を選択する場合は、コンサルティングを通じて得られた情報を基に「自ら自由に選ぶ」、という線引きが効果的だと、私は考えています。
この線引きは、独立系FPであれば、何のしがらみも無く自動的にできているはずです。

コンサルティングに特化する

フリーランスのFPが生計を立てるには、コンサルティング料(フィーと呼ばれます)と仲介手数料が主な収入源になります。

私は独立系FPなので、仲介手数料は頂かず、コンサルティングに特化しています。
お客様のライフプランを実現するため、コンサルティングに基づいた提案(現状分析や将来シミュレーション、改善案の作成)を行い、お客様の人生が豊かになるようサポートすることで、報酬を頂きたいと考えています。

そもそも私のバックグラウンドは、金融機関や不動産業とは縁のないものでした。
そのため、手数料の源泉である特定の組織や商品に関する知識・経験・人脈に乏しいです。
ビジネス上は不利な状態と言えますが、だからと言って手数料欲しさに仲介者になっては、煩わしい利権に縛られることになり、お客様にも私自身にも有益ではありません。

そんな私にとって、FPとしてお客様へ提供できる最良の価値は何なのかを、常に自問自答しています。
今の私が確信するのは、20年のサラリーマン経験で培った普通の人の目線を持って、様々なデータを活かしたコンサルティングに特化して、仲介機能をそぎ落としたサービスに一点集中すること、そうした実直な対応だということです。

お金より大切なもの

私にとって、FPになるきっかけを与えてくれたのは、将来のお金に対する不安でした。
一方で、お金のことを学べば学ぶほど、なぜそれが大切なのか、という本質的な考えに向き合うようになりました。

私は、「お金は生活のために必要」「お金は理想の人生を送るために必要」、でも「お金のために生きているのではない」、という姿勢でいます。

人が生きていくにはお金はとても大切だけど、それより大切なものがあるということです。
例えば、自らの健康、家族の幸せ、恋人や友人と楽しく過ごす時間、やり甲斐のある仕事、美味しい食べ物など、具体的に言語化してみたら、まだまだたくさんあるはずです。

結局お金が大切なのは、自分にとってお金より大切なモノ・コトを、手に入れ・守り・体験するために必要だから、というだけなんです。
それ以上でも以下でもありません。
こうしたお金の本質を正しく認識していることは、FPが「お金のプロ」としてコンサルティングする際に、とても重要な根っこになると思います。

仕事における心構え

社会人として心得ている言葉に、「儲けは商売のカス」というものがあります。
どんなビジネスも、社会やお客様に貢献できる仕事をすることが第一で、その仕事を通じて世の中に役立つ=喜んでもらう、その結果として後から儲けが付いてくるという意味です。
単に利益を得るために存在する言葉ではなく、お金とは別の報酬=仕事のやりがいを得るためにも、大切な心掛けだと思います。

お金はいくらあっても困らないので、頑張って稼ぐことは良いことです(日本では勤労の義務もありますね)。
とはいえ、お金だけを目的としていては、良い仕事を続けることはできません。
ありふれた話かもしれませんが、私にとってこれは経験を通じて身に沁みた真実です。
仕事において大事なことなので、数字ばかりに目が向かないよう、常に肝に銘じています。

私の活動は、まずこのブログを通じて少しでもお役に立つ情報を発信し、多くの人に私のことを知って頂くことを起点としています。
ここで情報を受けとった人に、今より豊かな将来を目指して「FPに相談してみたい」と思ってもらえたら、とても嬉しいです。
その際は、私のところへ気軽に問い合わせて頂けることを、楽しみにお待ちしております。