よその家のお金の事情(家計)はどうなっているのか?
不謹慎かもしれませんが、多くの方にとって興味をそそられる話題ではないでしょうか。
お隣さんは幾ら預金しているのか、気になりますよね。
実際にお隣さんに聞くわけにはいきませんが、国・地域に視点を広げた比較データなら知ることができます。
それを参考にして、自身の資産配分を考えるヒントを掴んでみましょう。
家計の資産構成
ここで見て頂くのは、2023年3月末時点における日米欧の3国・地域に分けた家計の金融資産構成のデータです。
先進国の間で比較しているため、どこも生活水準は同じとみなします。
3者とも赤色の保険・年金の割合は大差ないですが、青色の現金・預金(以下、①とします)及びそれ以外の株式など運用資産(以下、②)の構成割合が大きく異なっていることが見て取れます。
特に、日本とアメリカを比べると、その違いは顕著です。
日本は①54.2%②19.6%、アメリカは①12.6%②58.9%と、①と②の構成が逆転しているのが面白いですね。
ユーロ圏は、この2者の間にあります。
最適なバランスは?
資産構成バランスの良し悪しは、何に重きを置くかによって評価が変わります。
分かりやすくするために、ここでは「資産残高が増える=良い」というシンプルな基準を設置してみましょう。
そのうえで、これを検証するデータとして、内閣官房内の資料を引用します。
このデータは、2000年から2021年末までの日米英の家計金融資産の推移(保険・年金以外)です。
英国を、前述のユーロ圏の代替とみなします。
この期間の家計金融資産は、米国と英国では3.4倍と2.3倍に伸びている一方、日本では1.4倍と小幅な増加であることが分かります。
また、配当・利子を含まない資産価格の変動のみから算出された運用リターンについても、同様の傾向・差が見られます。
これらのデータから、株式などへの投資による運用が、資産残高を増やしたことが読み取れます。
つまり、資産構成バランスについて先ほどの基準で評価すると、「①より②の割合が高い方が良い」と言えそうです。
これが、国民の投資による資産運用を促進させたい、と政府があれこれ検討している背景になります。
こうした実績から見ると、将来のお金について不安があるなら「投資した方が良い」というアドバイスは、現実的で有効性のあるものだと言えそうですね。