私たちが日常生活で触れる情報は様々です。
家族や友人はもちろん、ウェブや書籍、スーパーやコンビニ、新聞やテレビなど、考えてみれば退屈している暇もないくらいですね。
なかでも生きていくために必須だったり(自然災害・社会保障・電気・ガス・水道・通信・交通など)、娯楽性が高い(スポーツ・芸能・趣味など)という情報は、多くの人が普段から気に掛けているものだと思います。
一方、知っていると役に立つけど知らなくても生きていけるし娯楽性も低い(数十年先を見据えた資産運用・無駄を省く定期支払いの見直し・社会経済の現状や今後の見通しなど)というものは、ただでさえ情報過多の現代において、積極的にインプットしたい人は少数かもしれません。
そこで今回は、いつもは気に留めない(積極的にインプットしない)けれど、人生を豊かにするためのヒントが詰まっている公的統計をご紹介します。
名前が地味でお堅いため、何だか取っ付きにくそうに思えますが、中身のデータを見ると、実に現実味溢れる数字を目にすることができます。
私たちのお金に関する行動について、統計データを活用する手掛かりを探ってみましょう。
そもそも統計とは?
まず統計という言葉ですが、「統べて計る」という字面だけを見ると、データを「合計する」という意味に解釈できます。
それだけならシンプルに思えるのですが、実は統計とは、英語の “statistics” に由来した言葉として使われており、それが本来意図するのは「その時々の国の状態を数字で把握する」ということにあります。
統計は対象とする人・モノなどを調査することで作成されますが、大きく分けて、政府など公的機関によって作成される公的統計と、企業など民間組織によって作成される民間統計があります。
このうち、ここでは公的統計にフォーカスして話を進めていくことにします。
公的統計とは?(超ざっくり)
日本では統計法という法律のもと、公的統計とは「国の行政機関、地方公共団体又は独立行政法人等が作成する統計」と定義されています。
これをすごく簡単に言うと、基本的に信頼性が高く、国や地方の政策検討や行政運営だけでなく、異なる時期や地域の比較(例えば、世代間比較や国際比較)にも活用できる、とても優れたデータになります。
公的統計の中でも特に重要なものが基幹統計で、2024年6月末時点では54統計が指定されています。
これには、国勢統計や人口推計、家計統計や労働力統計、鉱工業指数や毎月勤労統計などが該当します。
…こんなふうに公的統計の説明をされると、何だか取っ付きにくいですよね。
確かに、その言葉の定義するところや調査方法などは、厳格で近寄り難い(面白みのない)ものかもしれません。
しかし、統計調査の結果であるデータ自体は、私たちでも身近に感じられる親しみやすい(そして実生活の参考になる)ものが多いんです。
例えば、以下の日本の人口ピラミッドや消費支出の変動割合の推移など、私たち一般人でも様々なところで目にする機会があると思います。
意外と身近なものだと、感じて頂けたのではないでしょうか?
簡単に手に入る
こうした統計調査の結果を知るために、とても便利なウェブサイトが用意されています。
まずは政府統計の総合窓口e-Statです。
こちらのサイトでは、統計データの検索や視覚化(グラフや表)およびダウンロードなど、欲しい情報を手に入れることが、誰でも簡単な操作で出来るようになっています。
ダウンロードして他の調査のデータと組み合わせれば、独自のグラフを描けたりするので、目的に合わせた分析や見せ方が可能になります。
慣れてくれば何かと便利に活用できるので、生データに触れてみたい人にはおススメです。
一方、公的統計を何かを分析するための元データとして利用するのではなく、その調査結果だけを「一目でパッと見たい」という人には、統計ダッシュボードが最適です。
主な調査結果の数字が、はじめから分かりやすくグラフや表として加工表示されているので、e-Statのように自身で操作する必要はありません。
統計ダッシュボードの方が、「なるほどなぁ」と直感的にデータを理解しやすいでしょう。
一歩先を照らすために
公的統計による調査結果は、政府や行政など大きな視野で利用されるだけでなく、私たちの生活環境を知ることにも活用できます。
また、調査結果の推移を過去から現在まで繋げて見ることで、現在の立ち位置やこれまでの傾向が分かるだけでなく、過去実績に基づいて今後について考察を進めることができれば、先の見えない将来を推測するツールにもなりえます。
温故知新という格言のように、統計データの真価は、「過去を知り未来に備えるための道標として活用できる」、これに尽きる言っても良いでしょう。
「統計なんて堅苦しそうだ」と毛嫌いしないで、この機会に統計ダッシュボードをちょっと眺めてみるだけでも、普段の生活に何か気付きが生まれるかもしれませんね。