突然ですが、投資という言葉から連想されることは何でしょうか?(ここでは「金融商品」を対象とした投資を、「投資」と言うことにしますね)
ギャンブルに似たイメージを持たれている方も少なくないと思いますが、生きていくうえで、実はとても重要な要素なんです。
投資って何なのか?そもそも必要なのか?これが今回の内容です。
これらは「私は投資に興味無いから、まったく関係ない」という方にこそ、特に知って頂きたいことです。
なぜなら、私たちは無意識に金融商品に投資しているからです。…日本人の「ほぼ全員」が該当者なんです。
日本人の投資に対する考え方
日本には、高度経済成長していた期間と、長期停滞していた期間があります。
だいたい戦後昭和から平成終わりまでの70-80年間くらいです。
この時期に生まれ育った世代では、「投資は危ないから、やらない」という考えが、多数派ではないでしょうか。
私も以前そう考えていた一人だったので、この考え方が根付いた経緯を知れば、筋の通った話だと納得できます。
しかし、本当にこの考え方は「正しい」のでしょうか?
もし「正しくない」なら、何が正しくないのでしょうか?
先に正解をお伝えします。
「投資は危ない」は正しいが、「(だから)やらない」は正しくない、です。
つまり、「投資は、危ないけど、やるべき」という結論になります。
一見すると矛盾していそうですね。
でも、矛盾していないんです。その理由を、ひも解いていきましょう。
「投資は危ない」は正しい
投資は危ないというのは、要は「元々あったお金が無くなる=損失になる」リスクがあるからです。
損したくないというのは、(余程の事情が無い限り)当然の感情ですよね。私も、損するのは嫌です。
では、投資して損しない場合は、どうでしょう?
利益になるか、悪くても元の状態と変わらない、という場合です。
つまり、元本保証という条件が付いていることを指しますが、これなら投資したい気持ちになりませんか?
そんな条件なら私はやりたいのですが、残念ながら、そんな美味しい話はありません。
絶対にないんです、ずる賢い人がボッタクリを働くか、詐欺師が相手を騙す以外は。
…ですが、いつの時代も洋の東西を問わず、この手の「似非(えせ)投資」話に釣られてしまう人がいるのも事実です。
釣られた人は一人残らず詐欺師らの養分になってしまい、投資で失敗したという認識だけが残ります。
というわけで、「投資は危ない」という考え自体は、正しいと言えます。
「やらない」は正しくない
では、投資をやらない方が良いのかというと、それはちょっと考えものです。
はじめにお伝えした通り、実はみんな投資しています。ただ、投資している認識が無いだけです。
認識もせずに、いったい何に投資しているかというと、銀行などの普通預金(貯金)です。
「それは投資じゃなくて、お金を預けているだけ」と、反論あるかと思います。
確かに違和感ありますよね。
でも、普通預金の実態は「預け入れ=銀行へお金を貸す」「引き出し=預け入れた元本の返却とともに利息を貰う」という金融商品なんです。これが、普通預金という金融商品に投資している、と言っている根拠です。
普通預金について補足すると、デフレが進む状況では、この投資は筋が良いと言えます。
デフレだと物よりもお金の価値が高いので、それが進むのは、お金の価値が高まることと同じです。
なので、普通預金への投資は、たとえ金利ほぼゼロであっても、元本割れさえしなければ、放っておいても資産を守れる(維持 or 増える)ことになります。
一方、インフレ(お金の価値が低下)が進む状況では、低金利の普通預金を放置すると、元本保証で額面金額が変わらなかったとしても、資産が減っていくことになります(物価が上昇してお金の減価が進むため、額面金額自体の価値が下がる)。
この場合、資産を守る=その価値を維持するためには、物価上昇を補う利回りが得られる株式などの投資先に、お金を移す必要があります。
インフレなのに普通預金だけしかないのは、「資産が目減りしていくのを黙って見ている」という危険な状態にあるのです。
この様に、デフレでもインフレでも資産を守るためには何かしら投資していた方が良いので、「投資をやらない」は正しくないと言えます。
投資とリスク管理
資産を守る(何なら増やす)には、投資は「危ないけど、やるべき」です。
何もしないことは、資産を「裸のまま危険にさらしている」ことに他なりません。
とはいえ、利回りが良いというだけでやみくもに投資するのは、危険が増すだけです。
投資において一番大切なのは、危ない要素を出来るだけ少なくすること=リスク管理です。
資産を守り・増やすためには、投資はやらないと決めてかからず、ご自身のリスク許容度を踏まえて正しく投資することが重要と言えるでしょう。
※30年近くデフレ経済にあった日本ですが、ようやくデフレ脱却の兆しが見えてきました。もちろん「まだ経済停滞は継続中」という見解はありますが、2023年11月時点で景気は回復基調にあるようなので、このまま改善が続いて欲しいですね<内閣府2023年11月8日付け景気動向指数(速報)の概要>。