前回に引き続き、地震保険の基本を見ていきましょう。
今回は保険料について説明しますが、単に支払うという側面だけでなく、地震保険の特徴である税制優遇についても、お話したいと思います。
地震保険の保険料
地震保険の保険対象は、居住用の建物と生活用動産(家財)です。
公共性の高い地震保険では、建物の所在地(都道府県)や構造などの基本条件が同じ場合、保険料は保険会社によらず一律になります。
地震という災害は、予測が困難なだけでなく損害の程度も限定できないため、保険料の算出において、大数の法則が成り立たちません。
そこで「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づき、損害保険料算出機構という団体が基準料率(保険料率)を算定しており、それを基に保険料が算出されます。
基準料率の算定では、建物の所在地や構造による「基本料率」、割引制度による「割引率」、保険期間の長さによる「長期係数に応じた割引率」の3要素が掛け合わされて計算されます。
このうち割引制度は、保険料から10~50%の割引が適用されるというもので、以下のようにまとめられます。
種類 割引率
免震建築物割引 50%
耐震等級割引 10%・30%・50%
耐震診断割引 10%
建築年割引 10%
また、長期係数は、単年(1年)の保険期間を自動継続するよりも、長期一括(2~5年)で契約した方が、保険期間の長さに応じて割安になる(割引率が高くなる)というものです。
サブスクなど様々な契約で目にする、定番の割引制度ですね。
参考までに、2021年1月1日以降の始期契約の保険料をご紹介します(注意:2025年3月現在、金額は更新されています)。
建物の「所在地」と「構造区分」に応じた保険金額100万円に対する地震保険の年間保険料(各種割引や火災保険は含まず)は、1年間で以下の一覧表のようになります。

このように、地震保険では明確なルールで保険料が決まるため、どの民間損保にしようかと頭を悩ませずに済むでしょう(主契約である火災保険の選定に注力しましょう)。
地震保険料控除
地震保険は「どの保険会社を選んでも、保険料に差が生じない」ということから、なんだか少し地味な存在に感じられるかもしれません。
でも、実は地味ではないんです。
むしろ地震保険には、他の損害保険に見られないキラリと光る注目点があるんです。
それは「地震保険料控除」という税制優遇です。
この地震保険料控除は、所得税・住民税を計算する際の課税所得を軽減できる「所得控除」の一種です。
所得税においては、その年に支払った地震保険の保険料の合計額に応じ、以下の表に従って控除額を計算できます。

この表に区分されている通り、地震保険料控除は(1)地震保険だけでなく、(2)旧長期損害保険にも適用され、それぞれ別枠で計算できます。
ただし、控除できる上限額は、合計50,000円になります。
住民税においても同様に控除はありますが、算出条件(支払保険料の合計額や控除額など)が所得税の場合と異なります。
詳細は割愛しますが、ざっくりしたイメージは所得税の表と同じで、この表の数字が半分(控除の上限額は合計25,000円)になる感じ、と大雑把に認識しておけば良いでしょう。
いずれにしても保険料の負担が緩和される、ありがたい制度です。
年末調整(会社員など)や、確定申告(自営業者など)を提出する際は、地震保険料控除の記入をお忘れなく、ということですね。
地震保険のまとめ
これまで地震保険について、2回に渡りお伝えしてきました。
地震大国の日本においては、地震こそ備えが必要な災害です。
そうした観点からも、地震保険は優先順位の高い保険だと言えます。
火災保険とセットで契約すれば手間は掛かりませんし、税制面での優遇も受けられるので、住宅や家財の万一に備えるためにも、ぜひ地震保険に目を向けて頂きたいと思います。